|
・五遁の術(ごとんのじゅつ) |
|
五隠遁術の遁は遁(逃)げることをいう。
忍術では数十種の遁法がある。五遁の術とはそのうちの主要な五種。
木遁、土遁、水遁、金遁、火遁のことを特に五遁という。 |
|
|
|
・木遁の術(もくとんじゅつ) |
|
忍術の本質ともいうべき隠遁術を大別すると五遁の術と
その他十八種以上の遁法とに分かれる。
木遁の術は五遁の術のうちこのひと。つ
草木を利用して隠れ、遁げること。 |
|
|
|
・火遁の術(かとんのじゅつ) |
|
五遽の術の中で代表的なもの。
火を使うというより、火薬を用いて煙を発生させ、その隙に遁げるというもの。
忍者たちが最も得意とした分野が火薬を用いる遁法である。 |
|
|
|
・土遁の術(どとんのじゅつ) |
|
土遁とは五遁の術のうちのひとつで、土や地面を利用して遁げる術。
近代戦でいう塹壕掘りも立派な土遁の術である。 |
|
|
|
・金遁の術(きんとんのじゅつ) |
|
五遁のうち、金遁の術だけは意味に統一性がない。
金を与えることと、白刃を閃かせることと、鐘を乱打するなど、
統一性はないが、まとめて金遁の術ということになっている。 |
|
|
|
・水遁の術(すいとんのじゅつ) |
|
水を利用して遁げることを水遁の術という。五遁の術のひとつ。
泳ぐ、潜るの水練の他、忍者たちは自発的に道具を考案して
使ったというのが特徴である。 |
|
|
|
・禽遁の術(きんとんのじゅつ) |
|
禽とは鳥のこと。
禽遁に限らず、忍者たちの活躍した時代は自然の一部に
紛れこむことを特に重視した。
禽遁といっても、別に鳥に化けることを意味しない。
鳥を利用する術一切を禽遁の術と稀する。 |
|
|
|
・魚遁の術(ぎょとんのじゅつ) |
|
数多くある隠遁術のうち、魚遁の術とは、魚を利用する隠遁術をいいあらわす。
ただし、具体的には魚遁の術を活用してどのような効果を上げたかの例は
あまり伝わっていない。 |
|
|
|
・獣遁の術(じゅうとんのじゅつ) |
|
獣遁とは、獣を利用する隠遁術のことである。
伊賀流では主として鼠を利用し、甲賀流では猫を利用した。
その他ありとあらゆる獣を利用する試みが行われた。 |
|
|
|
・虫遁の術(ちゅうとんのじゅつ) |
|
虫遁の術とは、昆虫の他、爬虫類を含めて言う。
蛇、百足、蜘蛛、斑猫、青とかげ等、
ありとあらゆる嫌われている小動物を利用する術である。
実際には人の心理の隙を突く意外に大きな効果があった。 |
|
|
|
・人遁の術(じんとんのじゅつ) |
|
五遁の術のひとつ。群衆に紛れ込むことも、
変装して敵を欺くのも人遁の術である。
現代の忍者というべきスパイたちは人遁の術の名手たちである。 |
|
|
|
・日遁の術(にっとんのじゅつ) |
|
日遁の術とは、昼間、晴天下で太陽の光を利用して敵を眩ます遁法。 |
|
|
|
・月遁の術(げっとんのじゅつ) |
|
月遁の術とは、夜間晴天で月が出ている時を利用する。
月の光と月の影を巧みに利用する術。 |
|
|
|
・星遁の術(せいとんのじゅつ) |
|
星遁の術とは、夜間晴天で、星がはっきりしている時、
星の光を利用して隠遁したり、あるいは星の位置を見て
時刻を知ったりするのに活用した。忍術書はともに星遁の術と稀している。 |
|
|
|
・潮遁の術(ちょうとんのじゅつ) |
|
干潮と満潮では海岸線の様相が違う。
潮の満干をよく知って必要とあらば利用することを考えなければならない。
これを潮遁の術という。 |
|
|
|
・雲遁の術(うんとんのじゅつ) |
|
雲遁の術とは雲を利用する遁法であるが、
忍術としての遁法は、自然の雲を利用することより、
火薬を利用して雲や霧を人工的に作り出すという積極的な意味があった。 |
|
|
|
・雷遁の術(らいとんのじゅつ) |
|
雷を利用する隠遁術ということであるが、忍者たちは火薬を
用いて大音響と光を生み出す技に長けていてこれを用いた。 |
|
|
|
・電遁の術(でんとんのじゅつ) |
|
電遁とは電気、というより雷光と理解するが、当時の火薬技術で
電気に相当するものを作り出すことができたとは考えられない。
忍術の上ではことばとして残っている。 |
|
|
|
・風遁の術(ふうとんのじゅつ) |
|
風遁の術とは風を利用する隠遁術である。
風を利用するといぅことはすべて風上側に立つということであった。 |
|
|
|
・雪遁の術(せっとんのじゅつ) |
|
雪が降る季節と地方であれば当然のことのように
忍者は雪遁の術を使うことを考えた。
忍び装束はふつう茶、黒、紺などの色だが、裏地は白かった。
雪の時は裏返して着用した。 |
|
|
|
・雨遁の術(うとんのじゅつ) |
|
雨が降るときは、雨遁の術が有効である。
忍者は考えられるあらゆる自然、天然現象を利用した。
雨遁の術はむしろ初歩的な術であった。 |
|
|
|
・音遁の術(おんとんのじゅつ) |
|
音遁の術を音を利用する隠遁術だとすると、犬や猫や虫等の
鳴き声から、鐘、太鼓、法螺貝を打つこと、
火薬を用いる大音響まで、さまざまな種類の音すべてを含めて
利用する術と解釈すべきことになろう。 |
|
|
|
・毒遁の術(どくとんのじゅつ) |
|
忍者が用いた手段のうち、特筆されるものが毒およぴ毒薬の使用である。
日潰し、毒殺は言うに及ばず、敵襲にも、
自衛的な遁法にも可能な限り毒物を利用する試みが行われた。 |
|
|
|
・色遁の術(しきとんのじゅつ) |
|
色遁の色はもっぱら着衣の色彩のこと。
色を変えることによって人間心理の裏を突くことができた。
現代陸軍の迷彩色はいわば色遁の術である。 |
|
|
|
・霧遁の術(むとんのじゅつ) |
|
各種の遁法のうち、特に有効なもののひとつが霧遁の術であった。
天然自然の霧に紛れるということではなく、
人工的に火薬や薬物を用いて霧を作り出すことができたからである。 |
|
|
|
・唐手術(からてじゅつ) |
|
唐手術(空手術とも)は琉球に発達した徒手、空拳の技。
護身も攻撃もできる。
唐手術も忍者にとっては必要な技と理解することができる。 |
|
|
|
・飛技(ひぎ) |
|
飛技とは古典的な忍術のひとつ。跳躍術のこと。 |
|
|
|
・離行の術(りこうのじゅつ) |
|
複数の忍者が行動するときの原理として、
一斉に行動しないことというのがある。
忍び口から忍んで行く場合、練達者がまず先に行き、
間隔を置いて順に続いていくというのが離行の術。 |
|
|
|
・合相詞術(ごうそうしじゅつ) |
|
敵の合言葉を盗む術。敵陣に
忍んで戦闘の混乱機に乗じて合言葉を盗み出す術。
戦国忍者たちは合言葉を重視してこれを盗むことを心掛けた。 |
|
|
|
・犬くぐりの術(いぬくぐりのじゅつ) |
|
犬の習性を利用して敵を欺く術。
犬は垣根をくぐろうとする時、必ず「うなる」のだという。
この「うなり」にも二種類あって寝うなり、伸びうなりがある。
うなり終わると、今度は身ぶるいして耳をブルブルっと鳴らす。
この習性を利用して、「うなり」は自分の擬声で、
身ぶるいは着ている着物の「つま」をもんで真似るのだという。 |
|
|
|
・飯綱の術(いづなのじゅつ) |
|
飯綱の術とは、忍術というより呪術の一種。
夫婦二頭の鹿の皮と亀の甲羅とを用いる術。
飯綱権現の神前に供え、神明の加護によって、
忍の秘術を授けたまえと、ひたすら乞いねがう。 |
|
|
|
参考・引用文献
新人物往来社 【歴史読本スペシャル71 忍の達人 影の奥義書】
新人物往来社 【別冊歴史読本72 忍びの者 132人データファイル】
学習研究社 【歴史群像シリーズ71 忍者と忍術 闇に潜んだ異能者の虚と実】
講談社 【バジリスク甲賀忍法帖 忍術と忍者の謎】 |